【自分がやりたいことをやる】居酒屋を運営しながら「居酒屋らしくない活動を」と自ら発する | 伊勢や代表・伊勢英忠
聞き手:大橋(聞き込み隊編集長)
かすかべ聞き込み隊インタビュー
春日部市豊春にある秋田料理のお店『伊勢や』代表の伊勢英忠さんです。
伊勢英忠(以下、伊勢) ようこそ、伊勢やへ。先ずは乾杯といきましょう。
乾杯!
伊勢英忠さん(左)
大橋郁彦 (右)
伊勢やは、居酒屋らしくないお店?!
---伊勢やさんは、秋田料理のお店と聞いていますが、この場所ではどのくらい続けているのでしょうか。
【伊勢】自分が秋田の出身なので、秋田の料理を出しています。このお店自体は4年で、元々は『とりとん』と言う焼鳥屋でしたが、移転するとのことで居抜きとして入りました。
---今日、ここにあるメニューがそうですね。
【伊勢】馬刺しにいぶりがっこチーズ、他のものもあります。秋田ではない居酒屋メニューもあります。
---以前からこのスタイルの居酒屋でしたか。
【伊勢】オープン当初は2人でやっていました。ですがその方の方向性と自分の方向性が平行線のまま、自分がやりたいことに付き合ってもらっていました。随分とガマンしてくれていた、そう感じています。その方は今は別の場所で自分のやりたいことをやっています。
---別々の道と言うことは、お互いに『自分の道に進んだ』と解釈しますが、何やら今の伊勢やが、居酒屋らしくないお店と聞いているのですが。そのあたりの経緯について聞きたいですね。
居酒屋以外の顔を持つ
【伊勢】うちは居酒屋らしくないです。自分自身、このお店以外に上尾のコワーキングスペースの店長と、不動産の営業もしています。
---それはジャンルが幅広いですね。
【伊勢】両方の仕事共に、去年声をかけてもらったんです。自分の能力が人の役にたてる、会社にとって必要とされることが、うれしい。だから応えたいと思いました。不動産営業は自分の好きなことですが、やはりコワーキングスペースがやりたいです。現在は上尾の未来創造スペース mirai ageoと言う場所で『みんなを繋げて欲しい』と未来を盛り上げる為に動いています。 タスクールと言う会員がスタッフのような、毎日イベントがあるコワーキングスペースがあって、そこでお互いの知識を回しあったり、共有し合う。そんな皆が成長出来る場所を作りたいんです。
---居酒屋と言う枠を越えて自分のやりたい事に進んでいますね。コワーキングスペース実現に並々ならぬものを感じるのですが、伊勢やにその考え方は活かされていますか。
【伊勢】ちょっと難しいですね。皆で情報を共有し合い、皆で成長する場がコワーキングであり、伊勢やです。どちらかと言えば、楽しいたまり場と言う感じで、自分の中では分けてはいないです。
---確かにスタンダードな居酒屋経営とは異質ですね。だからこその逆風はありませんでしたか。
【伊勢】3年くらい前にコワーキングスペースに取り組んだ時には、うまく行きませんでした。基本は失敗続きです。でも失敗があるから今の自分があるのだし、それを隠さず今後もいっぱい失敗していこうと思います。
---差し支えなければ、聞かせていただけませんか。
『やればいけるなぁ』と動き出せたのは、多くの失敗があったから
【伊勢】一番きつかったのが去年です。お店はそれまで大変で、特に支払いも厳しい状態でした。以前一緒に働いていた方もいない。常にひとりで、何をやってもうまくいかない空回りの感覚でした。 寺フェスと言う北春日部の小渕観音院での第1回イベントに関わりましたが、2回目の開催にはそこに関われないことが、自分にとってとても辛かったことです。
ただ、 その時に『しょうがない』と思えたんですよ。
自分ひとりでも出来る事も出来ない事もあるし、助けてくれる人も周りにはいました。 そのあたりから自分の事に目が向けられ、見つめられるようになった。 今想うと、外ばかり見ていました。オレらしくしなくっちゃと言う気持ちです。 それが去年の暖かくなってきたくらいから、だんだんよ良くなって、考え方も媚びる事もなくなりました。 色々な人と出会って、自分は自分。人は人なんだと。
---吹っ切れた感じですね。
【伊勢】去年あたりから、強くなったと人には言われます。まわりを気にしない強さがあると。
---『したたかな強さを得た、と言う事でしょうか』。居酒屋らしくないとありましたが、今のやり方で『動き出した』きっかけは、何でしょうか。
【伊勢】やはりFACEBOOKでの伊勢やライブ放送ですね。毎日、『夜の9時に放送する迷惑な居酒屋』として放送中です。今では『見ているよ』とか、『9時が楽しみ』なんて言ってくれる人が増えましたね。ライブ放送はまだまだ浸透していないし、発信は"速効性"や”今のタイミング"だから、人を引き込める。今後の番組の布石です。
最近、月1で北千住のC―WAVEでラジオのアシスタントをしています。 昼の番組は値段も安く、スペースもあるので将来的には番組を買うか、伊勢やに設備を整えて番組を始めるか、構想中です。
---それは楽しみですね。今、伊勢やのライブ放送やイベントが賑やかになっている気がします。普通のお店と違う、と言うよりは『気になる』、『楽しそう』にシフトしているのでは。
伊勢やファンディング
【伊勢 】クラウドファンディングの伊勢や版『伊勢やファンディング』をライブ放送して金額を達成しました。設定額は20万円でが、現在は33万円まで集まっています。 元々お店の入口にテラスを作ろうと思い、始めたものですが、お店の事に関わるのは常連さんだから、伊勢ファンディングと言うネットではない、リアルファンディングがいいのかなと。
---ネットのクラウドファンディングを使おうとは思わなかったのですか。
【伊勢】それはコワーキングスペースの時に使おうと思っています。ちょっと難航していますが、都内にもコワーキングの物件がありますので。流石に今と言う訳ではありませんが。
---クラウドファンディングは、ローカルではまだまだ浸透していないので、理解されないことや反発もあると思うのですが。
【伊勢】最初は直接文句も言われたり、『どうやってお金を返すんだ』とも言われたけど、気持ちで返すことや、『支援してくれた人が動けば、今度は自分が返す番』と言うことも伝え、何より支援してくれた人が多かったんです。
---やはりそう言う事がありましたか。
【伊勢】でも、いいんです。自分は今後もクラウドファンディングをやっていくし、皆にも伝えていく。支援してくれる人にはこちらも支援するし、気持ちで返す事は今後も続けていきたい事なので。自分の人生は一度きりだから、やろうと思った事はやっていくし、去っていく人がいても一緒にやっていける人と楽しくいきます。
---最終的な結果が出ましたね。そのうえで敢えて聞きたいのですが、最初の集まり度合いでは厳しいのではと感じさせられたし、その分、後半の伸びがあったから見ている側もハラハラするしドラマチックだったと感じています。
【伊勢】助け船のようなものもあったと思いますし、こちらも何とかしたいと言う思いでいっぱいでした。でも、何とかなると思いました。
---ライブ放送やSNSの発信の効果も大きかったですね。支援の投稿をシェアする事で、伊勢やと言う番組のようでもありました。
【伊勢】それもこちらの思惑です。何より支援してくれる人が多かったです。
---その透明のバケツは、お金がたまっていく状況が見えるあたりも周りに訴えそうですね。正直、ちょっと生々しいです。
【伊勢】だから皆が状況を見てお金を入れてくれたり、当然酔った勢いもあると思います。
---なるほど! リアルな居酒屋だからこその勝因でしたか。
【伊勢】自分の経験でもありますが、このバケツとボードのように、シンプルなもの程、強いんです。この透明バケツも人からもらったものなんです。これでやってみなよって。
---伊勢さんの回りには、助言や協力してくれる方が多いと言うことですね。
【伊勢】はい。だからこそ伊勢やはみんなで情報を出しあったり、一緒に成長する場にしていきたいです。 これはクラウドファンディング会社のキャンプファイヤーの主催の言葉ですが、『お金の流れを滑らかにしたい。お金を持って無い人は望みがあるから、そこにお金を持っている人がスムーズに関われるシステムが、クラウドファンディング』です。
コワーキングスペースの時は、是非キャンプファイヤーでやってみたいです。
望みを口にする事で、叶う
【伊勢】最近知人で南極に行く為に浅草で人力車をひきながらクラウドファンディングを行い、個人で300万円を得た人があります。そう言う先輩のやり方や助言を得て、やりたい事は口に出すようにしています。言えば叶うし、言わなければ叶わないものですから。
---今って、『やった者勝ち』が形で見える時代ですよね。
口に出して行動していけば、いつか叶うと思っています。キャンプファイヤーの6周年イベントの時にはホームレス小谷さんと会えて伊勢やにも来てもらったし、伊勢ファンディングもまだ着手してはいませんが、お金は集まりました。
---伊勢やの方向性がざっくりと見えて来ました。やはりやりたい事をやっている、ですね。
【伊勢 】未だ途中です。終着点を考えるより、今やりたい事をやりますよ。
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