【地域に垣根は無い】 ~せんげん台の仕掛人は、親子ほども年の離れた二人の東口と西口側、それぞれの商店会長〜

最近、なにやら、せんげん台がアツいらしい。

街の雰囲気がなんとなく明るくなったし、東口商店会にはHPもあるようだ。せんげん台地域のあちらこちらで、『見つける、せんげん台』なんていうフリーペーパーも見かける。その仕掛人は、親子ほども年の離れた二人の東口と西口、それぞれの商店会長だというのだ。かすかべ聞きこみ隊としても、ご近所さんの元気な姿は見逃せない。インタビューを試みた。

せんげん台東口商店会長/大衆割烹千石家オーナー石川さん(右)
せんげんパークロード商店会長/@HomeDiningSalveオーナー田中さん(左)
聞き手 大橋、岩井(かすかべ聞き込み隊。)

かたや老舗の割烹料理、かたや新進気鋭のイタリアンレストランのオーナーシェフ

鍋をつつきながら、会は和やかに。


―今日は取材させていただけることとなり、ワクワクしています。まずは、お二人のことをお聞かせください。


石川さん(以下石川):せんげん台東口商店会会長の石川修作です。店自体は、もう三十何年やってる「千石家」っていう料理屋です。


田中さん(以下ガンジー):せんげんパークロード商店会会長の田中聡です。周りからは「ガンジー」って呼ばれてます。「Salve」っていうイタリアンレストランをやってます。


十年後を見据えた信頼関係

石川:ガンジーにはもう言ってるの。俺もね、もう55なのね。55でやったとして、あと10年やったらもう息切れでしょっていう。いつかはバトンタッチしなきゃいけない。その時には、ガンジーに任せる予定でいる。 


ガンジー:年齢も上だし、商店会長として先輩だし、全然僕も知らないことも多いんで、逆に今の中では、石川さんみたいな方はいてくれてよかった、っていうことはあります。


運命的出会い

石川:元をたどると、(東口の)商店会長になっちゃった。受けるときに、俺はめちゃくちゃにするよって言ったの。めちゃくちゃにするってのは“壊す“ってことではなくて、”今までのいいことは残すけど、悪いことは排除して新しい風を入れて、そこで努力する“ってこと。それで、街路灯のLED化から何からいろいろやっていく中で、二年、三年やってることによって周りが見えてきて、いろいろちょっとアンテナ立てたら、同じせんげん台でもこういう風に考えて人がいるっていうことで・・・ 


ガンジー:石川さんがまず自分の店に来てくださって、その前から、飲みマップとかで、石川さんのお顔は見てたんで、こちらから声をかけさせてもらって。そこから話していくうちに、石川さんの「地元をこうしようかな」っていう思いと、僕自身の思いとがまさにかみ合ったと。(何かを)やるにしてもどう発信していいのかなっていうのがわからない時に、石川さんにちょうどお会いして、思いが通じたのかな、と。

共通項は、心の中の地域への想い

ガンジー:私は生まれたのも育ったのもせんげん台西口なので、小学校・中学校と、ずーっと当たり前のように、生きてきたんですけど、昔、メイン通りで、西口のお祭りがあったんです。それがなくなってて、なんかせんげん台が衰退していっているな、元気なくなってきてるなぁって、イメージをもって。もっと昔、小さい頃は楽しかったなぁって。で、このままだとせんげん台から人って出て行っちゃうんじゃないかなぁっていう思いがあって、んで、お祭りをやるのもそうですけど、何か自分でもせんげん台に対する今までの恩返しじゃないですけど。 


 幼馴染、そして多様性のチカラ 

ガンジー:今、自分たちで、集まってる同級生でせんげん台西口青年部を立ち上げて。・・・いま、縮小しちゃったんですよ、お祭り。公園でこぢんまりとやっているのを「また元に戻そう」っていう活動をしているのを、去年、一昨年くらいからはじめて。運営していらっしゃる方たちの下について、色々やらせてもらって、で、ゆくゆくは引継ぎというか、意見も言えるように。まぁ、去年よりもちょっと拡大はしてるので、だいぶ意見も言えるようになってきました。で、せんげん台を活性化する。まぁ、それだけじゃないとは思うんですけど。他には、今の子供たちに何か面白いことをっていうので、畑をやってみたりとか。


ガンジー:中学校の同級生が、飲んでいる場とかで、「何かをやりたいよね」っていうのが自然に出てきたんですよね。それで、畑を安く手に入れられるところがあって。まぁ、自分たちで。農業やってるヤツもいるので、そういうヤツらと。知恵とか道具とか持ち寄って借りて。  


石川:理屈はないです。地元愛がなければやっぱり意味はないんで。俺は色々あって、昔は商店会にそこまで積極的じゃなかったんだよね。ただ、会長を引き受けた。んで、言ったさ、「じゃあ、お前ら俺のやりたいようにやるけども、間違ってたら、質してくれ。意見言ってくれ」と。で、「間違ってない方向で進んでたら、とにかく応援してくれ」と。それが、4年前。誰かが、そういうことをやっていなければ変化っていうのは絶対にないわけですよ。


「西」と「東」の垣根なんてない

石川:もとはね、春日部も越谷もないでしょ?勝手に人間が作っただけ。そんな垣根なんかないじゃないか。東武線がたまたまあるから、西と東になっているからって別にせんげん台の西と東が喧嘩しなければならないわけではない。ポジティブに前向きな解釈しなかったら意味ないでしょって。 


ガンジー:東口であろうと西口であろうと、「せんげん台」って思ってるんで。まぁ、東口はどうだ、西口はどうだとは思ってないです。せんげん台であれば。まずそこでまとまる必要があるんじゃないかなって。“東口で面白いことをやって、それを西でシェアする”っていうのも、逆に、「面白いな」って思ってて。東口のイルミネーションを大々的にやってるんですよねって、もう西口で大々的に宣伝。「ああいいなぁ」って思う。(石川さんは動きが早いので)それについていかなきゃっていう思いはありますけどね。 


 そして未来へ向けて

石川:私は自分の代でやっているときには、“せんげん台にお店を持ちたい、せんげん台に住みたいって街にする”のが私の目標なんですね。なるためにどうしたらいいのか、の、まず一つの結論としては、いろんなことをイベントでやりますこうしますと、おもてで知らせる。そうすると、「なに?この音??」だとか、「なにこれ??人が集まってる!」通ったら気づく。「えー、今度せんげん台って、こういうのをやったことあったの??」って「こういうことやってたの!?」って、「やってたよやってたよ!!」って。 


ガンジー:あとは次の世代につなげていく。今の子供たちにせんげん台を、と。


本日の話し手

石川修作(いしかわ しゅうさく)

せんげん台で30年以上続く大衆割烹千石家のオーナーであり、”せんげん台東口商店会長”として街を元気にしよう活動中。

田中聡(たなか さとし)

奥さんと二人で営むイタリアンバル@HomeDiningSalveのオーナーであり、東口商店会会長石川修作との出会いにより”せんげんパークロード商店会長”として活動中。
せんげん台西口青年部として仲間達と一緒に活動中。

かすかべ聞き込み隊。

『かすかべ聞き込み隊』は、埼玉県春日部市に住む人や楽しむ人達のコミュニティと連動した聞き込みメディアです。ひとりひとりの春日部を聞き込みに周辺の街にも「楽しい」や「再発見」を集めに行きます。よろしければ、あなたが知っている春日部の魅力も聞かせてください!

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